本とのこと

本と映画と音楽の話。

車通勤が暇すぎて運転しながら読書する方法を見つけてしまった

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読書したいけど時間がない。

前は電車通勤だったけど今は毎日車通勤。車通勤ってほんと暇。音楽も何回も同じの聴いてると飽きてくるし...。

そう思っていたんだけど今は電車通勤の時より読書時間が増えた。

どういうことか?

車通勤の時間って無駄すぎ

毎日の車通勤の時間ってけっこうな時間を取られる。片道1時間としたら1日で2時間。20日出勤したとしたら1ヶ月で40時間にもなる。前はiPhoneやカーナビに入れた音楽を聴いてたけどこれをひと月40時間も繰り返してたらさすがに飽きてきた。朝眠くなるし...。

電車通勤のときは本が読めてたのになー。車通勤でも本読みたいなー。そんな夢みたいなことをずっと考えていると車を運転しながら読書する方法をまじで編み出してしまった。

車を運転しながら読書する方法

それでは早速その魔法みたいな読書方法を説明しよう。

1.Kindleアプリを用意する

まずはiPhoneアプリでKindle(電子書籍)アプリを落として読みたい本を買おう。

Kindle

Kindle

  • AMZN Mobile LLC
  • ブック
  • 無料

2.iPhoneを設定する

iPhoneの「設定」アプリを開いて、「一般」→「アクセシビリティ」→「スピーチ」とタップしていく。「画面の読み上げ」をONにする。これで準備はオッケー。

3.二本指で画面をこする

それではKindleアプリで読みたい本を開いてみよう。その状態で画面上端から二本指でこする(スワイプする)となんとSiriが本を読んでくれるのだ。

注意点

画面をロック(暗く)すると1ページ読んだだけで読むのが止まっちゃいます。なので画面はKindle画面を開いたままにしておきましょう。

これで基本的にはKindle本の文章を延々と読み続けてくれるからそのまま運転できるんだけど、図だけのページとかがあるとそこで読むのがストップされちゃいます。その場合は指で次ページに進んでからもう一度二本指でスワイプ。

画面操作は必ず赤信号などで車が停止している時ににやろう!

自動速読の時代?

これやってると「未来を生きてるな」って感じします。言ったら読み聞かせロボットに本を読んでもらってるみたいなもの。ほんとスマホってすごいよね。

で、ここまで読んだ人は「聞いただけで意味あるのかよ?」「聞いただけでは身につかないでしょ?」とか「ちゃんと読めよ」とか色々な意見を言いたくなると思うんです。僕もそう思いました。

だけど半年以上試した感覚としては以下のような感じで問題なさそう。

  • 一周だけじゃなくて何周も聴いてるとけっこう頭に入ってくる
  • Kindleで買った本だから通勤時間とかに一通り聴き終わった本を時間がある時にちゃんと自分で読むこともできる(一通り内容が頭に入ってるから理解が早い)

これって速読っぽい。目だけで本を読むやつ。それの耳版みたいな。速読をiPhoneが自動でやってくれる。「自動速読」と名付けてもいいんじゃないだろうか。

オーディオブックより良さそう

聞く読書と言えばオーディオブックというのもあります。機械の音声じゃなくてちゃんと人が朗読してくれているやつ。AmazonのAudibleというのも試してみたけど以下のような感じで自分の場合はこのKindle + 読み上げの方が良さそうだと思いました。

  • 音声で聴いた後に目でも読みたくなる
  • Siriの音声でも全然苦痛じゃない

ちなみにAudibleより安いし後で読み返せるので月額読み放題のKindle Unlimitedを契約してます。

分厚い本も怖くない

この読書方法を編み出してからというもの読書量がだいぶ増えた。「思考は現実化する」とか「7つの習慣」とか分厚くて読める気がしない分厚い本も平気で読めちゃいました。薄い本より分厚い本買ったときのほうが得した気分になるという。

運転以外でもいろんなシーンで読書

この自動速読は通勤の時ぐらいにしか試してないけど他にもいろんなシーンで使えそう。

  • 寝ながら読書
  • 家事しながら読書
  • ランニングしながら読書

他にもありそう。

まとめ:スマホすごい

ほんと技術の進化すごい。読み上げ機能もすごいし、最近は音声入力もめっちゃ精度高いし。この前はカメラで撮影した文章を文字に変換してくれるアプリを使ったんだけどこれも精度高くてとても便利だった。こんなのが無料で使えちゃうからすごい。

Photo by Leah Kelley from Pexels

 

本を読まない読書初心者におすすめする小説10選

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「読書なんかほとんどしたことない」「ビジネス書とかはたまに読むけど小説はちょっと...」っていう人けっこういると思います。僕も学生の時はそんな感じだった。普段本を読まない人にとって小説を読むことってハードルが高いよね。

でも読書の醍醐味って小説にこそ詰まってる!みんなに読書好きになってほしい!というわけで本を読まない人(本を読みたい人)におすすめの10冊を選びました。

本を読まない読書初心者におすすめする小説10選

小説を読む楽しさに気づけるものや、小説をあまり読んだことがない人でも読みやすくてキャッチーなものを中心に選びました。まずはどれか一冊から小説入門として使ってください。

1.アヒルと鴨のコインロッカー

大好きな小説。最初はちょっと読みにくいかもしれないけど最後まで読めば「おおおん!小説のおもしろさってこういうことか!!!」ってわかる。伊坂幸太郎さんの初期の作品は読みやすくておもしろいので読書初心者におすすめです。これの映画もおすすめだけど絶対に小説から読んでほしい!

2.死神の精度

死神にまつわる6編から成る短編集。短編なので読みやすいけど千葉という死神によって物語の世界が繋がっている。最初から最後まで読むと感動と興奮が同時に襲ってきます。僕は電車の中でこの小説の最後の話を読み終えたときに一人で泣いてた。

3.告白

とにかく読みやすい。5人の登場人物が独白形式で各章ごとに交代で事件について語っていく。事件の真相がだんだんとわかっていく体験にぞくぞくする。怖い。物語の展開に引き込まれて一気に読めます。徹夜して読もう。

4.容疑者Xの献身

これぞミステリー小説!事件の真相がわかっていく展開にぞくぞく。感情が揺さぶられる。東野圭吾さんの小説はどれも読みやすいけどこれはその中でも傑作です。これを読めば絶対「ミステリーっておもしろい!!」ってなって別の小説も読みたくなるはず。

5.幸福な生活

読みやすい。19個の短編小説が載っている。ひとつひとつの話が短いのですぐ読める。各物語の最後の1行でどんでん返しを体験できる仕掛けになっているのでその1行が気になって手が止まらなくなる。一気に読めます。

6.モンスター

奇形的な醜い姿で生まれ、ある事件がきっかけで周囲から「モンスター」と呼ばれるようになった主人公の和子。美容整形をして、自分と周囲の見る目が変わっていく感覚に快感を覚える。1人の男を思い続けて整形手術にはまっていく女性の物語

百田さんの小説は読みやすい。この小説も引き込まれて一気に読めます。

7.何者

大学生達の就活の物語。著者が若いので自分も経験したことのある就活の空気感とか、こういうやついるいる〜というのを共感しながら楽しめて読みやすい。後半のはっとさせられる展開も小説ならではで「そうそう小説のおもしろさってこれだよねーー!!!」って興奮した。

8.ピンクとグレー

著者はNEWSの加藤シゲアキさん。「ジャニーズのアイドルが書いた小説」という色眼鏡は外してとりあえず読んで見てほしい。おもしろいし、上手いし、若いころから芸能界にいたからこそ書ける物語だなーと感心した。他の作品も読んでみたい。

9.劇場

火花で芥川賞を受賞した又吉直樹さんの2作目。火花もおもしろかったけどそれ以上に良かった。主人公の態度や行動に苛立ちつつも、自分にも心当たりのある人間の嫌な部分や恥ずかしい部分を全開で見せられた気がして内省させられる。読み終わった後、体の中に激情が走った。

10.コンビニ人間 

36歳未婚。今まで彼氏なし。コンビニ店員の物語。”普通”の人とは違う主人公の恵子の目から現代社会を見ることで「普通ってなんだろう」「人間って気持ち悪い」って考えさせられてちょっと苦しくなる。まだ文庫版は出てないけどページ数も少なくて読みやすい。

まとめ:「読後感」を知ってほしい

まずはこの中から一冊手に取って読書のおもしさにはまってほしい!小説でしか味わえない「読後感」というやつを知ってほしい!一冊読み切れば「これが読書か!」「他にも読んでみたい!!!」ってなるはず。同じ作家さんの他の作品を読むのも良いし、他の作家さんを当たってみるもおすすめです。

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本屋大賞2017のおすすめ本のまとめ【4月11日ランキング発表】

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毎年発表が楽しみな本屋大賞の季節がやってきました。毎日本に触れている書店員さんが選んだランキングだから信頼度高いし大賞作品・ノミネート作品は実際おもしろいので「次は何を読もうか」という人にも「たまには本でも読もうか」という人にもおすすめです。
今年のノミネート作品は1月18日に発表されており、本屋の特設コーナーでこれらの本を見かけた方や既に読んだ方も多いはず。気になる大賞・ランキングの発表は4月11日。

というわけで本屋大賞ノミネート作品の詳しい紹介 + 既に読んだ作品については感想を入れていきます。

本屋大賞2017ノミネート作品

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i(アイ) / 西加奈子

直木賞を受賞した「サラバ!」から2年。アメトーーク読書芸人や椎名林檎さんなど芸能人のファンも多い西加奈子さんの新作。

あらすじ

「この世界にアイは存在しません。」高校の数学教師が、入学式翌日の授業で言った一言。この言葉は主人公・アイの心に深く残り続けることになる。

シリアに生まれたワイルド曽田アイは日本人とアメリカ人の夫婦の間で養子として育てられる。小学校卒業後、日本で暮らし始めたアイ。親友のミナ、写真家のユウの存在と、頭から離れない数学教師の言葉。自身の存在意義を問い続けたアイに奇跡が起きるー

評価

Amazonの評価        :★★★★ 3.9点
読書メーターの評価:★★★★★ 90%

帯コメント

帯コメントには作家の中村文則さん、又吉直樹さん。

読み終わった後も、ずっと感動に浸っていました。なんてすごいんだろう。この小説は、この世界に絶対に存在しなければならない。 ー 中村文則

残酷な事実に対抗する力を、この優しくて強靭な物語が与えてくれました。 ー 又吉直樹

その他情報

ジャンル:純文学
発売日:2016年11月30日
ページ数:298P

著者・西加奈子とは

にし かなこ、1977年5月7日生まれ(39歳)。

「ぴあ」の元ライター。イランで生まれ、エジプト、大阪で育つ。2004年「あおい」でデビュー。2015年「サラバ!」で第152回直木三十五賞受賞。

西加奈子の本屋大賞受賞歴

2013年:「ふくわらい」第10回本屋大賞5位
2015年:「サラバ!」第12回本屋大賞2位

暗幕のゲルニカ / 原田マハ

「楽園のカンヴァス」「でーれーガールズ」「本日は、お日柄もよく」のベストセラー作家・原田マハさんの2016年第155回直木賞候補にもなった作品。

あらすじ

 ピカソの代表作「ゲルニカ」。1937年、ナチスによる無差別空爆がきっかけとなり、ピカソの恋人である写真家・ドラは「ゲルニカ」を製作するピカソを撮影する。2001年、9・11テロで夫を無くした主人公・瑤子はMoma(ニューヨーク近代美術館)で「ピカソと戦争」という展覧会を企画する。2人の女性を通して、ピカソが「ゲルニカ」に込めた想い、「ゲルニカ」が辿った運命を描く壮大な物語。

評価(2017年3月30日時点)

Amazonの評価        :★★★★ 3.8点
読書メーターの評価:★★★★★ 92%

帯コメント

帯コメントは書評家の大森望さん。

楽園のカンヴァス』を凌ぐ壮大な美術ドラマ。驚異のラストまで目が離せない! ー 大森 望

その他情報

ジャンル:サスペンス
発売日:2016年3月28日
ページ数:357P

著者・浜田マハとは

はまだまは、1962年7月14日生(54歳)

東京都生まれ。小学校六年生から高校卒業まで岡山県で育つ。Momaに勤務後、2002年にフリーのキュレーターとして独立。2012年、「楽園のカンヴァス」で第25回山本周五郎賞受賞。

浜田マハの本屋大賞受賞歴

2012年:「楽園のカンヴァス」第10回本屋大賞3位

桜風堂ものがたり / 村山早紀

児童文学作家、村山早紀さんの作品。

あらすじ

人付き合いが苦手な書店員・月原一整は百貨店内にある銀河堂書店に勤めていた。埋もれた名作を見つけることが得意な一整は店長からも信頼されていたが、ある日の万引き事件がきっかけで書店を辞めることになった。傷ついた一整はネットで知り合った老人の書店「桜風堂」を訪ねるー

評価

Amazonの評価        :★★★★★ 4.5点
読書メーターの評価:★★★★★ 100%

帯コメント

涙は流れるかもしれない。けれど悲しい涙ではありません。

その他情報

ジャンル:ファンタジー
発売日:2016年9月21日
ページ数:384ページ

著者・村山早紀とは

むらやまさき、1963年1月17日生(57歳)

長崎県生まれ。児童文学作家。1993年、「ちいさいえりちゃん」で毎日童話新人賞最優秀賞・第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。

村山早紀の本屋大賞受賞歴

なし

コーヒーが冷めないうちに / 川口俊和

脚本家兼演出家、川口俊和さんの舞台「コーヒーが冷めないうちに」をたまたま見に来ていた編集者が感動し、小説化となった。本屋大賞ノミネート前から35万部の売り上げを突破していたベストセラー作品。

あらすじ

ある街に、ある座席に座ると過去に戻れるという噂の喫茶店があった。

「過去に戻っても、席を立って移動する事はできない 」「過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、 そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ」などいくつもルールがある。そんな不思議な喫茶店で起きた4つの奇跡ー

第1話「恋人」結婚を考えていた彼氏と別れた女の話、第2話「夫婦」記憶が消えていく男と看護師の話、第3話「姉妹」家出した姉とよく食べる妹の話、第4話「親子」この喫茶店で働く妊婦の話

評価

Amazonの評価        :★★★★★ 2.7点
読書メーターの評価:★★★★ 76%

帯コメント

過去に戻れる喫茶店を訪れた4人の女性たちが紡ぐ、家族と、愛と、後悔の物語。

ー4回泣けます

その他情報

ジャンル:ファンタジー
発売日:2015年12月7日
ページ数:348ページ

著者・川口俊和とは

かわぐちとしかず、1971年生(45歳)。

大阪府生まれ。

劇団音速かたつむり主宰を経て、現在は1110プロデュースを主宰する脚本家兼演出家。本作が小説デビュー作。

川口俊和の本屋大賞受賞歴

なし

コンビニ人間 / 村田沙耶香

2016年上期芥川賞受賞作品。昨年のアメトーーク読書芸人でも4人中3人からおすすめの本として選ばれた。大学生からコンビニ店員として働いていた作家・村田沙耶香さんが描いたコンビニ店員の話。

あらすじ

36歳未婚。今まで彼氏なし。主人公の古倉恵子は大学生の頃から18年間、同じコンビニでアルバイトとして働き続けている。小さな頃から人とは違うところがあり、日常生活では人々から奇妙な目で見られていた。恵子にとってはマニュアル通りに仕事をこなしていれば普通の人と同じでいられるコンビニのアルバイトだけが生きがいだった。

そんな安息の場所にある日、 白羽という男がアルバイトとしてやってくる。これがきっかけで、恵子の生活は狂い始めるー

 この本を読んだ感想

冒頭から描かれるコンビニ店内の描写がリアルで、美しささえ感じる。よく「誰でもできる仕事」と揶揄されるコンビニ店員の仕事だけど、センサーのように高速に情報を処理する目の動きや、客が出す音や仕草ひとつひとつに素早く反応して動く仕事ぶりがまるで職人芸のようで圧倒される。

主人公の恵子は普通ではない、ロボットのような人間だ。そのために生き辛さを感じている。だけど「普通」って一体なんだろうか。恵子の目を通してこの世の中の「普通」の人達を見ていると、だんだんと人間の気持ち悪さが見えてくる。

詳しい感想・書評はこちら↓

評価

Amazonの評価         :★★★★ 4.0点
読書メーターの評価 :★★★ 86%

 帯コメント

第155回芥川賞受賞

コンビニこそが、私を世界の正常な部品にしてくれるー。

 その他情報

ジャンル:純文学
発売日:2016年07月27日
ページ数:160ページ

著者・村田沙耶香とは

むらた さやか、1979年8月14日生(37歳)。

千葉県生まれ。2003年、「授乳」で第46回群像新人文学賞優秀賞受賞。2009年、「ギンイロノウタ」で第31回野間文芸新人賞受賞。2013年、「しろいろの街の、その骨の体温の」で第26回三島由紀夫賞受賞。

村田沙耶香の本屋大賞受賞歴

なし

ツバキ文具店 / 小川糸

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映画化された「食堂かたつむり」の小川糸さんの最新作。NHKにて多部未華子さん主演でドラマ化も決定。

あらすじ

鎌倉の山のふもとにある小さな古文房具屋「ツバキ文具店」。祖母から店を受け継ぐことになった店主の鳩子。文具店と名乗っているが主な仕事は手紙の代書屋。ラブレター、絶縁状、天国からの手紙...依頼者になりきって一から手紙の文章を考える。字も変えて紙にも文具にもこだわる。それが代書屋の仕事である。

評価

Amazonの評価        :★★★★ 4.2点
読書メーターの評価:★★★★ 78%

帯コメント

いつもありがとう。あの時は、ごめんなさい。ずっとずっと好きでした。

伝えられなかった想いを込めて、手紙を送りたい人がいます。

その他情報

ジャンル:人間ドラマ
発売日:2016年07月27日
ページ数:269P

著者・小川糸とは

おがわいと、1973年生(43歳)。

山形県生まれ。2006年、10年以上執筆活動を続け「もうこれでだめだったらあきらめよう」と書いた小説「食堂かたつむり」が編集者の目に留まり小説家デビュー。2010年、同作は82万部を超えるベストセラーとなり映画化。同年「つるかめ助産院」を発表。2012年、NHKにて同作がドラマ化。

小川糸の本屋大賞受賞歴

なし

罪の声 / 塩田武士

2016年週刊文春ミステリーベスト10国内部門1位、2017年版「このミステリーがすごい!」で7位を獲得した作品。

あらすじ

京都で「テーラー曽根」を営む曽根俊也。ある日、父の遺品の中から英文が書き記された黒革のノートと、小さな男の子の声が録音されたカセットテープを発見する。どちらも菓子メーカーを襲った「ギンガ萬堂事件」に関わるものだった。これは、自分の声だ。突如として31年前の未解決事件に巻き込まれた俊也はその謎を解明するために動き始める。

同じ頃、新聞記者の阿久津英士も昭和・平成未解決事件特集「ギン満事件 ー 三十一年後の事実 ー」の取材のために事件を追い求めていた。

この本を読んだ感想

昭和最大の未解決事件「グリコ森永事件」を題材にした小説。自分が生まれる前の出来事なのでこの事件については名前しか知らなかった。

この本を読んだ後、グリ森事件について調べてみると、小説の中の事件と忠実に同じ出来事が実際に起こっていたのだと再認識してゾッとした。

事件に使われた子供の声の真相は「こうだったのではないか」とフィクションの形で進む俊也側の物語。史実に忠実に進み、事件の真相に迫る阿久津側の物語。

この事件を描くために新聞記者となった著者の取材力に圧倒される。実際に足を運んだ者にしかわからない現場の空気感、聞き込み取材現場のリアルさ、人から人へと繋がる事件の真相。新聞記者の「取材」の力にひたすら熱中させられた。

詳しい感想・書評はこちら↓

評価

Amazonの評価        :★★★★ 4.1点
読書メーターの評価:★★★★★ 98%

その他情報

ジャンル:ミステリー
発売日:2016年08月02日
ページ数:416P

帯コメント

逃げ続けることが、人生だった。 

家族に時効はない。今を生きる「子供たち」に昭和最大の未解決事件「グリ森」は影を落とす。

著者・塩田武士とは

しおたたけし、1979年4月21日生(37歳)。

兵庫県出身。19歳の頃から作家を目指し、新人賞に応募し続ける。それから12年後の2010年、将棋担当の新聞記者としての取材経験を活かした「盤上のアルファ」で第5回小説現代長編新人賞を受賞。2012年、神戸新聞社を退社。専業の小説家となる。

塩田武の本屋大賞受賞歴

なし

みかづき / 森絵都

映画「DIVE!」「カラフル」原作者・森絵都さんの最新作。

あらすじ

昭和三十六年、千葉県。小学校の用務員をしながら、生徒たちに勉強を無償で教えていた大島吾郎。その小学校に通う蕗子の母親で、家庭教師をしていた明子。彼女に見込まれた吾郎は、強引な形で結婚することとなり、蘭と菜々美という2人の娘も誕生する。

学習塾を立ち上げた2人であったが、補習塾に拘る吾郎と、進学塾を目指す明子の間に摩擦が生じ、吾郎は家族のもとを去る。

夫・吾郎の視点、妻・明子の視点、孫・一郎の視点から描く、家族と教育の物語。

評価

Amazonの評価        :★★★★★ 4.6点
読書メーターの評価:★★★★★ 100%

その他情報

ジャンル:人間ドラマ
発売日:2016年09月05日
ページ数:467P

著者・森絵都とは

もりえと、1968年4月2日生(48歳)。

東京生まれ。1990年、「リズム」で第31回講談社児童文学新人賞を受賞。翌年、同作で第2回椋鳩十児童文学賞を受賞。1999年、「カラフル」で第46回産経児童出版文化賞を受賞。2006年、「DIVE!!」で第52回小学館児童出版文化賞受賞。2006年、「風に舞いあがるビニールシート」で第135回直木賞受賞。

森絵都の本屋大賞受賞歴

なし

蜜蜂と遠雷 / 恩田陸

「夜のピクニック」の恩田陸さんの、2016年下期直木賞を受賞した作品。恩田陸さんは過去に1度本屋大賞の大賞を受賞したことがある。

あらすじ

三年毎に開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。参加者は、ジュリアード音楽院学生のマサル、19歳。天才と呼ばれたが母を亡くしピアノから離れていた亜夜、20歳。楽器店に勤務している明石、28歳。養蜂家の親の元で育った塵(じん)は16歳。ピアノも持っていなければ音楽教育を受けたこともない。2週間に渡るコンクールの優勝を目指す4人の才能がぶつかり合う。

評価

Amazonの評価        :★★★★ 4.2点
読書メーターの評価:★★★★★ 100%

帯コメント

私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか?

ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描ききった青春群像小説。

著者渾身、文句なしの最高傑作!

その他情報

ジャンル:青春群像
発売日:2016年09月21日
ページ数:687P

著者・恩田陸とは

おんだりく、1964年10月25日生(52歳)。

青森県生まれ。仙台市出身。

2004年、「夜のピクニック」で第26回吉川英治文学新人賞受賞。2006年、「ユージニア」で第59回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞。2007年、「中庭の出来事」で第20回山本周五郎賞受賞。

恩田陸の本屋大賞受賞歴

2004年:「夜のピクニック」第2回本屋大賞 大賞

夜行 / 森見登美彦

今年の4月7日から映画が公開される「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦さんの作家生活な10周年記念作品。

あらすじ

全員が、画家・岸田道生の「夜行」という絵に出会っていたー。

京都で学生時代を過ごした6人は10年前に京都・鞍馬(くらま)の火祭りで姿を消した長谷川さんのことを忘れられなかった。10年ぶりに鞍馬に集まった6人は、旅先で体験した不思議な出来事を語りだす。不思議な旅の夜の物語。

評価

Amazonの評価        :★★★★ 4.0点
読書メーターの評価:★★★★ 82%

※2017年4月7日時点

帯コメント

彼女はまだ、あの夜の中にいる。

森見登美彦10年目の集大成!

その他情報

ジャンル:青春・ホラー・ファンタジー
発売日:2016年10月25日
ページ数:256P

著者・森見登美彦とは

もりみとみひこ、1979年1月6日生(38歳)。

奈良県生まれ。2003年、京都大学在学中に執筆した「太陽の塔」で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。2007年、「夜は短し歩けよ乙女」で第20回山本周五郎賞受賞。2010年、「ペンギン・ハイウェイ」で日本SF大賞受賞。

森見登美彦の本屋大賞受賞歴

2007年:「夜は短し歩けよ乙女」第4回本屋大賞2位
2008年:「有頂天家族」第5回本屋大賞3位
2011年:「ペンギン・ハイウェイ」第8回本屋大賞3位
2014年:「聖なる怠け者の冒険」第11回本屋大賞9位

本屋大賞2017の選考方法

基準:2015年12月1日〜2016年11月30日に発売された日本の小説。

一次投票:新刊を扱う全国の書店員が自分で読んだ作品の中から一人3作品を選んで投票


一次投票上位10作品が本屋大賞ノミネート作品となる

二次投票:ノミネート作品10作品を全部読んで全作品に感想コメントを書き、順位を付けてベスト3を選ぶ

二次投票の集計結果で大賞作品が決定!
1位=3点、2位=2点、3位=1.5点

まとめ:読書の春

これまでの本屋大賞にノミネートされた作品はメディアで取り上げられたり映画化されたり、長く読まれ続ける作品になったものばかり。今年のノミネート作品達もみんなから長く愛される作品になりそう。

あー全部読みたい。読書の春。暖かくなってきたし、カフェや公園に出かけて読書しよう。

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