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椎名林檎「ひょっとしてレコ発2018」セトリ・ライブレポ・感想

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ついにネタバレ解禁!椎名林檎ツアー「ひょっとしてレコ発2018」改め「椎名林檎と彼奴等の居る真空地帯」

5月25日広島@上野学園ホールに参戦してきました。

感想を一言で表すと「えっ、もう終わった......!?」

感想

まず感想を箇条書きで。

  • 児玉監督の仕事がすごい
  • 椎名林檎自身(女)を使った演出がすごい
  • 二次元と三次元の境が曖昧になる
  • ステージ全体を使って1つのMVみたいな
  • セトリのバランスがすごい

セットリスト

1.人生は思い通り
2.おいしい季節
3.色恋沙汰
4.ギブス
5.意識
6.JL005便で
7.少女ロボット
8.弁解ドビュッシー
9.浴室
10.薄ら氷心中
11.暗夜の心中立て
12.枯葉
13.眩暈
14.おとなの掟
15.重金属製の女
16.静かなる逆襲
17.華麗なる逆襲
18.孤独のあかつき
19.自由へ道連れ
20.人生は夢だらけ

アンコール

21.丸の内サディ?ティック
22.NIPPON
23.野性の同盟

椎名林檎ツアー「ひょっとしてレコ発2018」改め「椎名林檎と彼奴等の居る真空地帯」ライブレポ

では一曲ずつ細かくライブレポ書いていきます!演出部分のレポ多め。

参戦できなかった方はDVDやブルーレイで映像化されるまで想像を膨らませてもらえたらうれしいです。

全部記憶で書いているので誤りあるかと思いますのでそこはご了承を〜!

ライブ開始前の演出

舞台の背景にあるスクリーンに正方形(インスタ的)な白い枠が出現。枠の中に3:00:00の文字が。

能動的三分間よろしくカウントダウンが始まる。普通なら10秒前ぐらいにスタートするはずのカウトダウンを、3分間もさせるのが椎名林檎(というか児玉裕一)。みんなで減っていく数字を見つめるだけなのにこんなにどきどきできる演出、上手いなー。

50秒前くらいにバンドメンバー登場。

10秒前くらいに椎名林檎登場。正方形の枠カウントダウンの背景にはスペースシャトル発車前の映像が。

会場大歓声。

00:00:00

1.人生は思い通り

椎名林檎のワンマンライブ一曲目はいつも意外な曲から始まる。この曲はカーネーションのカップリングなんだけど、ここで聴くまで存在を忘れていたぐらい目立たない曲(「はて?この曲なんだっけ?カバー曲だっけ?」って曲の間中思い出せないくらい忘れてた)

そんな地味で目立たない曲を拾い上げ、ライブ一曲目という重要な位置に配置し、一生忘れない名曲に変えてしまうのが椎名林檎実演の醍醐味。

ステージ背景の正方形の白枠に宇宙旅行的な3DCGの映像。Amazon風にShiina Ringoと書かれたロゴの段ボールから「逆輸入〜航空局〜」のパッケージが出てきて宇宙に放出されるみたいな。最後アポロ計画の月の旗がひょっとしてレコ発のロゴになってた。

2.おいしい季節

久々に林檎さんを見れて感動して、曲名が思い出せずに混乱してたら1曲目が終わった。2曲目は今やライブでお馴染みのナンバー。なんだか安心してしまった。衣装は柄の生地で作られたアジア系の国の偉い人?兵士?みたいなドレス(なにそれ)。

正方形の白枠には時計(時間)など歌詞をイメージしたモーショングラフィックス。

3.色恋沙汰

これも意外な曲。正方形の白枠には「LOVE AFFAIR(色恋沙汰)」のネオン文字。その背景にインスタ映えしそうな(?)地球上の映像が映し出される。曲が終わるとおもむろにギターを抱える。

4.ギブス

まさかのギブス。1週間前の東京公演の映像がZIPでオンエアされていたのが一瞬見えてネタバレしてしまっていたのがめちゃくちゃ悔しかった。なにもこの曲をオンエアしなくても。おれだってここで「ギブス......!?」って感動したかったよ!

正方形の白枠には銀色の点々がきらきら揺らめくだけのシンプルな演出。これがElectric Moleのギブスを彷彿とさせた。

5.意識

この曲と演出がかっこよすぎて膝から崩れ落ちそうになった。

正方形の白枠の中に白色中抜きで「意識」のネオン文字。なんか新宿のアップルストアみたいな雰囲気。フォントかわいい。

ここで初めてステージ両脇に縦長のスクリーンが登場。電光掲示板風の赤文字で意識の歌詞が流れる。

床に置いた番傘に隠れた林檎さんはステージから消える。

6.JL005便で

いつのまにか逆輸入〜航空局〜の羽織りの衣装に着替えた林檎さん登場。

正方形の白い枠の中にパソコンのBIOS設定画面的なカクカクしたフォントで赤色の歌詞が映し出される。

その後、枠の中に揺れる海(海面)の映像が、正方形からステージ全体に拡張される(!)海はさきほど電光掲示板だったステージ手前の長細いスクリーンにまで広がる。

スクリーンに様々な映像や歌詞やクレジットが表示されてここはもうステージ上で1つのMVを見ているかのように美しかった。二次元と三次元、現実と虚構の境がなくなるような感覚。

8.少女ロボット

逆輸入の落ち着いたアレンジの少女ロボット。スクリーンも控えめな演出。幾何学の花の模様のようなモーショングラフィックス。

8.弁解ドビュッシー

また意外な曲が。バグった曲に合わせてスクリーンもバグったみたいな映像。めちゃくちゃかっこよくて脳みそ溶けそう。そして2018年になってもエレキギターかき鳴らしながらこの曲やっている椎名林檎の姿がかっこよすぎて感慨深すぎてくらくらする。

9.浴室

今回勝訴の曲多くて感動。たたんだ扇子で林檎を切る仕草しながら歌う林檎さん。スクリーンにはまな板と穴あき包丁で林檎を剥いて切る映像。蘇る10年前、林檎博の記憶。

「洗って切って水の中〜」のときは水の中みたいなアニメーション。ステージにはいつのまにか羽織りを脱いだ黄色いキャミソール髪の毛ボサボサの女が出現。

10.薄ら氷心中

歌いながらボサボサの髪をクシでとく椎名林檎。髪をとくだけで浴室の中の女から薄ら氷心中の中の女へ変身する。自分自身を舞台装置として使ってしまう椎名林檎。恐るべし。

曲の後半は歌いながら崩れ落ちて床を転げ回ったりハイヒール履いたきれいな足をあげたりもう色気が大変なことになる。

11.暗夜の心中

倒れた女が起き上がって演歌を歌い始める。心中に次ぐ心中。全く死ぬ気配はない。

12.枯葉

スクリーンに女がはさみで髪を切る映像。枯葉の歌詞。賣笑エクスタシーを思い出す......!まさか枯葉が聞けるなんて思わなかった...!

13.眩暈

と思ったら眩暈のイントロが流れる。もう「えっ」「えっ!?」って感じで、枯葉全部聴きたかった......って気持ちと、眩暈......!?って気持ちで感情が忙しかった。

衣装は柄のカジュアルなもこもこのブルゾンみたいな。スクリーンには灰と火の粉の映像。エモい。

アウトロにプロペラの音だけが残り、響く。ここで「だからこの曲が選ばれたのか!」と合点が行く。

14.大人の掟

眩暈の灰色から暗闇で「真っ黒な中に一つ」のと歌う流れに痺れる。逆輸入の英語ではなく日本語でやってくれた。手にはタンバリン。

15.貴金属製の女

上着を脱いでギターを抱える。黒いタイトな黒パンツに白い無音Tにショートカット。かっこいい。

スクリーンには淡いグラデーションがかった色にインクがブシャーみたいな映像。最後は「貴」「金」「属」「製」「の」「女」の文字が一文字ずつ交互に映し出される。

16.静かなる逆襲

目抜き通りのデジタルジャケットみたいなオレンジ色のネオン街の映像。「目抜き通りか!」と思いきや静かなる逆襲だった。

「ねえ貸してよTUTAYA」のとこで「ツタヤ」の文字が輝き「随所に未来感じるSELF REGISTER」のとこで「セルフレジ」の文字が輝き名越さんのソロでは「754」の文字が輝く。

ネオン街の文字にSUGAR&SPICE(女の子は誰でも)とかSO COCO TOKYO(某都民)とか東京事変ネタが含まれているのが嬉しい。

17.華麗なる逆襲

逆襲に次ぐ逆襲。ここで旗を取り出して数少ないMC「SMAPでーーす!」に笑う。会場みんなで赤い手旗を振り振り。「美しいーーー」。楽し〜〜〜。

18.孤独のあかつき

旗を振ったまま孤独のあかつき。スクリーンには暗闇の地平線に光が走るみたいなシンプルな映像。

19.自由へ道連れ

暗闇から一気に鮮やかなスケボーで滑り回る映像。アダムとイヴの林檎の私立恵比寿中学のカバーがめっちゃよくて改めてこの曲好きになったから聞けてうれしかった!

20.人生は夢だらけ

暗くなって冒頭を歌い、「この人生は夢だらけ〜〜〜」でスクリーン全体にMVと同じく行き交う人々の映像が!正方形の映像に重ねられた黄色いタイトル文字も出てくる(これ大好き)。

MVの「こんな時代じゃ」の辺りで一瞬映る80年代風のポップな背景も映る。背景に生身の椎名林檎が重なってステージ全体でMVみたいな。児玉ワールド全開で最高の最高。

最後「この人生は夢だらけ」でマイクを高く掲げて終了。......かっこよすぎる。

いつものクロールの動きで退場。

あっと言う間すぎてまさかこれで最後の曲だと気づかなかった。「えっ、えっもう本編終わり!?もうアンコール!?まじで」って信じられないくらい短く感じた。

ENC1.丸の内サディスティック

グッズの緑の着物を着て登場。ジャズアレンジの丸の内サディスティック。着物でいつものステップを踏みながら腰を振りながら歌う林檎さん。「報酬は入社後」の後の「シャドー」を客席に促す。スクリーンにも「シャドー」の文字。

ENC2.NIPPON

スクリーンの白い枠内が真っ赤になる。「一瞬広島だからカープの赤?」と思ったらその赤が日の丸になる。それわ閉会式のやつ〜!これは良い公私混同。

ENC3.野性の同盟

最後はこの曲。ライブ最後に聴いた曲も一生忘れない曲になる。

長いアウトロと煙に巻かれて退場。ステージ後ろにシルエットのみの林檎さんが手を振る。

終わった......。

まとめ

最高だった。あのリオオリンピック閉会式後初のワンマンライブだったから特に演出面ものすごく期待していたけどやっぱりすごかった。

演奏だけじゃなく演出にもグルーヴを感じるというか、児玉さんと林檎さん夫婦にしかできないライブ。

そして本日デビュー20周年記念日に林檎博18のツアー詳細が発表された!2018年、まだまだ夢だらけ。